親権停止と親権喪失の違い

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親権停止と親権喪失の違い

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親権の制限には、親権停止と親権喪失という2つがあります。
正確には、管理権喪失という、子供の財産に不利益を与えている管理権者が対象の制限もありますが、未成年の子供が財産を保有すること自体が少ないため、ここでは説明しません。

親権の停止と喪失は、共に子供に対して虐待(身体的・心理的・性的)や遺棄(養育放棄)している親権者が対象ですが、その程度について明確な基準はありません。
子供の利益を害する程度により、停止か喪失という名目上の違いがあるだけで、実質的には虐待や遺棄があれば、どちらでも請求はできます。

停止と喪失の違いは、親権停止は最大2年という期間があり、親権喪失は特に期間を定めていない点です。
親権停止の2年の間に、親権を停止された親権者や、子供の養育環境を含め、改善されれば元に戻りますし、改善されなければ再び親権停止が続いていきます。

一方で親権喪失は、子供を害する親の親権を失わせると同時に、子供にとっても本来頼るべき親権者を失うという、子供にとって良い面と良くない面の両方があり、その判断は慎重を期します。
だからといって、親権喪失の請求に対し、親権喪失までには該当しないとして、親権停止に変わるようなこともなければ、親権停止の請求に対し、親権喪失に値するとして親権喪失を容認することもありません。

ちなみに、離婚後において、あなたが妻の親権停止や親権喪失を請求して容認されても、あなたが親権者になるわけではなく、子供には未成年後見人が選任されます。
親権者を変更するには、親権者変更調停を申し立て、家庭裁判所が親権者の変更を認めなくてはなりません。