親権は制限できる

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親権は制限できる

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親権の制限は、これまでも制度として存在していましたが、親権喪失という重大な決定だったことから、慎重な判断が求められ、認められるには時間が掛かるものでした。
しかし、昨今の子供に対する虐待や遺棄事件により、子供が亡くなるケースが増え、親権の制限を早急に実行できる、制度の充実が求められていた経緯があります。

そこで、平成24年に施行された改正民法によって、親権の喪失だけではなく、親権の停止という新しい制度が盛り込まれました。
親権の停止が設けられたことで、親権の喪失よりも適用範囲が広くなり、子供の保護に対してスピーディーに対応できるようになっています。

大きく変わったのは、請求できる人が増えたことで、子供の親族はもちろんですが、児童相談所の所長が請求できるようになった点です。

これまででも、虐待を受けている子供の親族が、児童相談所に相談するケースや、近所からの通報は少なくありません。
ところが、ニュースでも目にするように、子供に危険が迫っていても、児童相談所ができることは少なく、手遅れになる痛ましい事件が何度も起きています。

新制度においては、児童相談所の所長によって、家庭裁判所へ親権停止の審判を申立て、家庭裁判所が認めれば親権が停止され、子供を保護するための方法を実行することが可能です。
実際の児童相談所からの申立ては、全体の中では僅かとはいえ、親権停止という制度創設は、確実に成果を上げています。

もし、妻の子供への虐待や遺棄など、子供への不利益が確認できているなら、離婚よりも優先されるのは親権の制限です。
また、親権の制限が認められた状況下での離婚では、必然的にあなたが親権者となるでしょう。
家庭裁判所は、夫婦間の問題よりも、子供への不利益を危惧しますから、子供の保護が優先されるのです。