配偶者の親族に慰謝料を請求できる?

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配偶者の親族に慰謝料を請求できる?

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人間が多くの人に囲まれて生活する以上、結婚というのは、夫婦関係だけに留まらず、多くの人間関係が新たに生まれます。
その中でもトラブルになりやすいのが、配偶者の親族(特に親)との関係で、遺恨があれば配偶者の親族に慰謝料を請求したくなるでしょう。

慰謝料の本質は損害賠償でしかなく、心的な損害を受けているのなら、誰に対してでも請求できます。
しかし、離婚の慰謝料として請求する場合は、果たして離婚原因が配偶者の親族にあるのかどうかは、簡単に判断できません。

少なくとも、離婚というものが夫婦の両者間で成り立つ以上、離婚原因は夫婦関係の破綻にあることは確かです。
ところが、親族との不仲は、親族と当事者の不仲でしかなく、夫婦関係の破綻に繋がるかどうかは全く別な話です。
要するに、親族との不仲から夫婦関係が破綻したという、直接的な因果関係があるかどうかが請求できるかどうかになります。

問題は、親族との不仲で生じた心的な損害と、配偶者への愛情の喪失という、全く別の対象を離婚の慰謝料として考えている点です。
離婚の慰謝料として親族に請求するためには、その親族が夫婦関係を破綻させたという立証が必要になり、それは難しいかもしれません。
逆に、離婚の慰謝料ではなく、単に親族個人に対する慰謝料を請求するなら、請求根拠は十分にあります。

通常は、親族との不仲があると、配偶者に文句を言ったり、配偶者が改善するように努力したりするものです。
その努力をせず、放置して夫婦関係が破綻したのなら、離婚の慰謝料の請求先は親族ではなく、むしろ夫になります。