退職金の財産分与は半分?

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退職金の財産分与は半分?

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離婚時には、婚姻期間に応じた退職金の増加額を、夫婦の協力に相当する対価として、半分に分ける方法が一般的です。
例えば、婚姻時に退職すると500万円で、離婚時に退職すると1,000万円なら、差額の500万円の半分は配偶者の貢献と考えます。
しかし、婚姻時に退職したと仮定する退職金を求めることは難しく、一方で離婚時に退職したと仮定する金額は算出しやすいことから、次のような方法で計算されます。

夫婦1人分の金額=離婚時の退職金×(婚姻年数÷勤続年数)÷2

この計算式は、離婚時の退職金のうち、婚姻期間に相当する分を求め、その半分を夫婦で分けた金額が求められます。
こうした退職金に対する財産分与の考え方は、非常に合理的ですし、支払う側はともかく、貰う側としては納得しやすいものです。

ところが、退職金というのは、受け取れる保証が無い点が問題になります。
会社が倒産しても、退職金は一定の保護を受けるとはいえ、会社に資産が少なければ受け取れないですし、受け取れるうちに退職しようと思っても、そうはいかないでしょう。

貰ってもおらず、貰えるかどうかもわからない退職金を、離婚時の財産分与に含めるのでは、分与する側はたまったものではありません。
実際の裁判でも、数年先といった、確実に受給できるだろうと想定される退職金で、財産分与を認めています。

そこで、将来退職金を受け取ったときに、その一部を元配偶者に給付するという、別約束をして離婚する方法も考えられますが、その約束が守られるかどうかです。
離婚後は他人ですし、連絡を取れなくなったり、いくら退職金が支払われたのか、正直に申告しなかったりする可能性もあります。

退職金にはこのようなリスクがあることから、婚姻期間中に相当する分の半分ではなく、減額した金額で妥協して折り合いを付ける方法も用いられます。