悪意の遺棄

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悪意の遺棄

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悪意の遺棄とは、悪意をもって夫婦生活に協力しないことをいいます。
具体的には、やはり生活費が対象になりやすく、夫婦の生活の維持に対して必要な協力を意図的に怠り、放置している状況のことです。

夫婦の共同生活においては、主な収入を担う側と、家事や育児を担う側に分かれるケースが多くあります。
どちらも生活の維持には必要不可欠であることから、具体的な協力内容によって区別されず、協力義務という夫婦の義務を故意に放棄すればそれは悪意の遺棄です。

男性は収入を担当することが多いので、男性にとっての悪意の遺棄は、十分に収入があるのに生活を困窮させることが該当し、女性にとっての悪意の遺棄は、家事や育児をせずに生活に協力しないことが該当します。
昨今では、共稼ぎ世帯も多いため、このように明確に分担されていることは少ないですが、いずれにしても、夫婦それぞれが協力して生活していくという、婚姻の大前提を覆す行為が該当するということです。

そういう点では、別居もある意味で悪意の遺棄になることがあり、一方の生活が困難になることを知っていて別居するのは悪意の遺棄にあたると考えられます。
夫婦は相互に同程度の生活レベルを維持する必要があり、別居によって格差がついてしまうのは許されないからです。
ただし、別居そのものが夫婦の同居義務に違反しているため、合意の上の一時的な別居など特別なケース以外は、生活費を渡しているから大丈夫ということにはなりません。