離婚調停委員は変わらない

どんなに調停委員とあなたの意見が衝突したとしても、調停委員が変わるということは、まず認められることはありません。
一方の当事者と意見が食い違うときは、他方の当事者と意見が合っていることが多く、当事者に意見に合わせて調停委員を変えても意味がないからです。

もし調停委員の交代を認めてしまうと、自分と同じ見解の調停委員が現れるまで交代を続けるでしょう。
その結果、今度は相手方と意見が合わなくなり、相手方が調停委員の変更を要求し…と堂々巡りになります。

また、調停というのは、いつでも申立人によって取り下げることができ、調停委員の意見に従う必要もありません。
さらに言えば、中立な立場の調停委員は、変更したところでやはり中立な立場を取ることから、変更することに意味がないからです。
調停を続けるか、または不成立で終わらせるかどうかの選択権が当事者にあるため、調停委員の変更は難しいのです。

しかし、単なる意見や見解の相違ではなく、1人の人間として明らかに目に余る言動というのは確実に問題があります。
そういった人が、そもそも調停委員になれるかどうかはともかく、本当に実在するなら、あなただけではなく、妻やもう1人の調停委員もそう感じているはずです。

では、そのような調停委員なら交代を認めるかというと、残念ながらそれでも交代が認められる可能性は低いでしょう。

しかし、担当の書記官に実状を相談してみるだけでも、効果が見られることがあります。
もしくは弁護士がついているなら、弁護士を通して抗議してもらうのも1つの手です。
担当の書記官から家事審判官へ伝わり、家事審判官から調停委員へ勧告してもらえるかもしれません。